包丁のある書斎

河竹登志夫 集英社 1987年 初版

包丁のある書斎

歌舞伎と西洋演劇を比較研究する著者による、おいしいものにまつわるエッセイいろいろ。北欧のディルの話から、中国の珍しい食材の話、ドイツオクトーバーフェストの話、逗子のおいしい地魚の話、プロの料理人から教えてもらったおいしそうないただき方、タイトルにあるとおり料理に関する道具についても書かれた項も多くあります。四季折々、古今東西の食べもの(とお酒)の話のおいしそうなこと。挿画も著者によるもの。

小人閑居して……酒食をなす、か。とにかく空前のしあわせ。

(本文より)

夜中に読むといけません。お刺身と日本酒が恋しくなってしまいます。私はこれを読んで、ぜったいに次の夏には日本酒をはんぶん凍らせて、みぞれ酒にし、しゃりしゃりいったところを、夕暮れに水打ちして涼しくなってきたところにちびちびのみたいと思います。水茄子漬けでもあったら最高だなあ。

四六判/232p

価格:
300円
状態:
並下。全体的にヤケ

働く女性の急げや急げ料理集

小林カツ代 大和書房 1982年 -

働く女性の急げや急げ料理集

子どもの頃、家に多かったのは小林カツ代さんの料理本でした。
てきとうでもおいしく作れるからいいのよ、と母は言っていたような気がします。
わたしは普段、息子さんのケンタロウの本を読むのが好きなのですが、こちらのカツ代さんの本を読んでびっくり。
同じようなことが書いてあるんです。
・忙しかったり、魚をさばくのが苦手だったら、迷わず魚やさんに頼んでみよう。
・照り焼きは焦げるから苦手だったら、素のまま焼いて、あとでタレにくぐらせればOK
なんてことが。
ああ、家庭の味なんだな、こういうのを見てケンタロウさんは育ってきたのだな、としみじみしたのでした。
本の随所にも少年ケンタロウが登場。当時小学3年生だったそうです。
「ku:nel」や最近の「暮らしの手帖」でときどき子ども時代のことをケンタロウさんが話していますが、たしかに「きぬさやの筋とりなんかよくやらされたなあ」ということを言っていました。
この本には「そういったことは夫や子どもにちょっとやってもらったりする」と書いてある。
家族の風景が見えて、ほほえましいです。
そして肝心のレシピのほうは、シンプルでかんたん、そしておいしい、楽しい料理の数々。
「時間がないからこそおいしいものをつくる」「夕食作りはできるだけ手早く、その分食事はゆったりと」と帯にあります。
忙しくたって、気持ちは豊かに暮らせるのだと、楽しい気分になってきます。さて、今日は何をいただきましょうか。

四六判。206p。イラスト:新井苑子・池田葉子

価格:
200円
状態:
並。経年の割に折れ、汚れは目立ちません。本文の紙焼けはあります。