古森熊書房HOME > 検索結果
生きる権利があることは、死ぬ権利もあるということ?そんな問いが突きつけられます。この本の「著者」ヴァンサンは、交通事故にあい、全身麻痺となる。意識ははっきりしていて、ほんのすこしだけ動かすことができる指先によってのみ、意志を伝えることができる。そのわずかなコミュニケーションによる「聞き書き」で生まれた本。
人が生きるとはどういうことなのか。夢を断たれ、体は動かず、一人では生きていくことができず、生きていることに意味が見いだせるのか。生きていくのに希望が必要なのだとしたら、ここに希望が見いだせるのか。神様は乗り越えられない試練は与えない、と言われる。ならばこの状態は乗り越えられる試練なのか。そして、希望のない生を、こちら側の世界につなぎとめておくことは、「私はいいことをしている」と思いたいだけじゃないのか。ただ「居る」ことが生きることであってよいのだろうか。
疑問も考えることもつきない一冊。遠い物語ではない。医療の進歩はすばらしいことだ。けれどもその裏側に、何人ものヴァンサンがいることだろう。軽々しく死を口にすることができなくなる。
山本知子/訳
195mm x 135mm / 205p
副題は「"新宿の殺し屋"と呼ばれた将棋ギャンブラーの生涯」
真剣師ということばを知ったのは、最近のこと。実は「ハチワンダイバー」からです。賭け将棋をするひとのことなんですね。
賭け事はやらないし、将棋もコマの進め方を知っている程度なのに、この本はおもしろい。
どちらか、あるいは両方やる人にはもっとおもしろいのではないか、と思うとちょっとうらやましい気もします。
まわりにいる人はたまったもんじゃないのでしょうが、読んでいるとどうしても憎めない。大酒飲みだし、女癖は悪いし、将棋は強くてもプロでなくてギャンブラー。ダメ男もいいところ。なのですが、こういう人のことを書いた本が好きでついつい手が伸びてしまいます。
最後に小池重明の遺書が載っています。この後に及んで酒のことや競輪のことを言うなんて!と思うけど泣けてしょうがない。それまでの団鬼六の文章はさすがだなと思います。
四六判、318p


季節ごとに、テーマを決めて本を紹介していこうと思います。まだ準備中です。

オンラインの古本屋です。
まだ殺風景なデザインのところもありますが、引っ越してきたばかりの部屋にお気に入りの家具をそろえてゆくように、すこしずつ手を入れてゆこうと思っています。
なにげない日々の暮らしについてのことを瑞々しく書き記した本、
子どものために書かれた本、
などを中心に、
のんびりと本を楽しめるお店になれますように。
どうぞよろしくお願いします。
[古森熊書房] 書籍商:東京都公安委員会許可 第302160709326号 永田美和